2/4に冬の磐梯山に登ってきたので、その記録と感想をまとめます。
磐梯山は福島県にある、日本百名山のひとつ。
ただ、今回の山行は、少し特別な流れの中での挑戦でした。
前日は西吾妻山に入っていたのですが、
- 深い雪によるラッセル地獄
- ホワイトアウト
- 行動の消耗
これらにやられて、途中撤退(敗退)。
正直、かなりボコボコにされた一日でした。
そのまま車中泊をして、翌日に磐梯山へ。
前日の経験があった分、今回は
「無理をしない」「状況をよく見る」
かなり慎重なスタンスでスタートしたのを覚えています。
朝6時スタート|静かな冬山へ
行動開始は朝6時頃。
まず感じたのは、西吾妻山とのコンディションの違いでした。
ラッセルの負担は軽め
前日は雪に埋まり続けるようなラッセルでしたが、磐梯山はそこまでではありません。
- 前半は踏み抜きも少なめ
- 取り付き付近まではトレースあり
- ペース良く、スムーズに進行
この「進める感じ」があるだけで、精神的な余裕が全然違います。
午前中は最高のコンディション
天気も良く、序盤はかなり快適な歩きでした。
裏磐梯の森林公園エリアのトレッキングコースは、
- 静かな森
- 柔らかい光
- 時折見える雪山の景色
冬山特有の、澄んだ空気と静けさの中を、気持ちよく歩くことができました。
前日の敗退があった分、
「こういう時間をちゃんと味わえること」
それ自体がありがたく感じます。
取り付きから一気に急斜面へ
ルートの後半は、雰囲気が一変します。
取り付きからは、かなりの急斜面。
この区間で意識したのが、体温管理でした。
気温は、
マイナス5〜10℃程度
それでも、急斜面を登っていると体は一気に熱を持ちます。
結果として、
Tシャツ1枚になるレベル
冬山では、
- 寒さ対策よりも
- 「汗をかかない管理」
これがかなり重要です。
汗をかいた状態で風に当たると、一気に体温を奪われます。
冬山は、
寒さとの戦いというより、体温コントロールのゲーム
だと改めて感じました。
前日の敗退が活きたポイント
今回の山行は、全体を通して
- 無理をしない
- こまめにレイヤリング調整
- 状況を見ながら進む
こうした判断を意識していました。
これは間違いなく、前日の西吾妻山での経験のおかげです。
敗退という結果ではあったものの、
その経験が、翌日の安全行動につながっていました。
急斜面を登り切ると、いよいよ稜線へ出ます。
ここからが、冬山らしい環境の変化を強く感じる区間でした。
稜線に出ると、一気に冬山の顔になる
樹林帯の中ではほとんど風を感じませんでしたが、稜線に出た瞬間、状況が変わります。
- 風が一気に強くなる
- 体感温度が急低下
- さっきまでの暑さが嘘のような寒さ
急斜面ではTシャツ1枚になっていましたが、ここで再びしっかり着込み直しました。
冬山では、
動いているときの状態ではなく、止まったとき・風に当たったときの状態を基準にする
このレイヤリングの切り替えが、かなり重要だと感じます。
また、稜線上は場所によって、
- 雪が飛ばされて岩が出ている区間
- 雪が溜まっている区間
コンディションがまばらで、足元の状況を常に見ながら進む必要がありました。
腰まで埋まるラッセル区間|ワカンを履くかの判断
途中、一箇所だけ印象的なポイントがありました。
突然、腰あたりまで埋まるラッセル状態の場所に入ります。
ここで迷ったのが、
ワカンを履くかどうか
前日の西吾妻山では、ラッセルでかなり消耗した経験があります。
そのため今回はワカンも持参していました。
ただ、前方を見ると、
- 稜線が近い
- 雪が締まっていそうな斜面が見える
距離と地形から、
「ここだけ抜ければ、コンディションは良くなるはず」
そう判断して、ワカンは履かずにそのまま進みました。
結果として、すぐに雪が締まり、歩きやすい状態に。
このあたりは、
- 装備に頼る判断
- そのまま押す判断
状況を見て選べたのが良かったポイントでした。
山頂付近はホワイトアウト気味
山頂に近づくにつれて、天候は少し悪化。
- 視界は白くぼやける
- 風も強め
- 完全な快晴とは違う、冬山らしいコンディション
ただし、
- 進路は判断できる
- 危険なレベルではない
「無理な状況ではない」と判断し、そのまま山頂へ。
結果、無事登頂。
前日の敗退があったからこそ、
「行ける条件かどうか」を冷静に見られていた気がします。
独走の山行
今回の山行は、ほぼ独走状態でした。
登りでは誰にも会わず、
下山中に一人だけすれ違ったのみ。
人の少ない冬山の静けさは、やはり特別なものがあります。
- すべて自分の判断
- 自分のペース
- 自分の責任
この感覚が、冬山の魅力のひとつだと思います。
下山と全体の振り返り
今回の山行では、いくつか意識していたポイントがありました。
- レイヤリングの細かい調整
- 暑さの管理(汗をかかない)
- スマートフォンの冷却・バッテリー対策
- 状況に応じた判断の徹底
その結果、
大きなミスなく、安定した行動ができました。
急斜面やラッセルなど、ハードな場面もありましたが、
- 天気に恵まれた時間帯
- 綺麗な景色
- 安定した行動
総じて、非常に充実した山行だったと思います。
西吾妻山の敗退と、磐梯山の成功
今回の2日間で感じたのは、
敗退も、山行の一部
ということでした。
西吾妻山では、
- ラッセルの厳しさ
- ホワイトアウトの怖さ
- 無理をしない判断
を経験。
そしてその翌日、
- 慎重な行動
- 状況判断
- 体温管理
- 装備の使い分け
すべてに、その経験が活きていました。
この2日間は、単なる登山ではなく、
自分の山での判断力が一段上がった感覚
があります。
こういう積み重ねが、冬山の経験値になっていくんだと思います。
今回の磐梯山は、
景色も、内容も、学びも含めて、
とても良い山行でした。