不安や虚無は、人生の問題というより、思考のルートの問題かもしれない。
人の思考には、ある程度決まった流れがある。
例えば、
暇になる
↓
将来を考える
↓
不確実性に目が向く
↓
不安になる
あるいは、
何か達成する
↓
満足が続かない
↓
「意味って何だ?」
↓
虚無感
こういう流れは、性格というより、いつも通っている思考の道だ。
思考のクセ=脳の配線のクセ
脳では、同じ思考や感情を繰り返すほど、その回路が強くなる。
よく通る道が、メインルートになる。
不安を繰り返せば、不安の回路が太くなる。
自己否定を繰り返せば、その回路が出やすくなる。
つまり、
思考のクセは、性格ではなく神経の習慣だ。
逆に言えば、別のルートを使う習慣を作れば、脳の配線も変わっていく。
問題は「思考の内容」ではない
多くの人は、
- ネガティブな思考を消そうとする
- ポジティブに考えようとする
- 思考をコントロールしようとする
でも、もっと手前にポイントがある。
それは、
思考回路に入る前の分岐。
出来事
↓
(ここで分岐)
A:思考ルートに入る
B:そのまま感覚に戻る
普通は、この分岐に気づかず、自動でAに入ってしまう。
瞑想で起きている変化
瞑想の効果は、「思考が減ること」ではない。
起きているのは、
思考の手前で気づけるようになること。
刺激
↓
「あ、今この思考ルートに入りそうだな」
↓
入らない
例えば、
違和感
↓
不安ストーリー
ではなく、
違和感
↓
「体の感覚だな」
↓
終わり
これが、
思考回路の手前で止まる状態。
ヴィパッサナーで作られる回路
ヴィパッサナー瞑想は、「何も考えない」練習ではない。
やっているのは、
刺激
↓
評価(良い・悪い)
↓
反応(欲しい・嫌だ)
この自動反応の流れを弱めること。
代わりに、
刺激
↓
観察
↓
終わり
という回路を繰り返し作っていく。
これは、
判断しない脳というより、反応しない脳を育てるトレーニングだ。
不安や虚無の正体
この感覚が育ってくると、見え方が変わる。
以前は、
「人生が不安だ」
「世界が虚無だ」
と感じていたものが、
脳がそのストーリーを作っているだけ
と分かってくる。
人生が重いのではなく、
脳が重いルートに入っていただけ。
自由になるポイント
大きな変化はここにある。
昔
刺激 → 自動で思考
今
刺激 → 気づき → 選択
これは精神論ではなく、繰り返しによって作られる神経のクセだ。
思考を変える必要はない。
ポジティブになる必要もない。
ただ、
そのルートに入らない
これだけで、体感する人生の重さは大きく変わる。
思考をコントロールする必要はない。
必要なのは、
思考と戦うことでも、
思考を良くすることでもない。
ただ、
思考回路の手前で止まる。
それだけで、世界の感じ方は、静かに変わっていく。